そして、
この度Metasequoiaはメジャーバージョンを変更して、Ver3.0としてリリースすることを決定しました。
Ver2.0がリリースされたのは2000年5月。以来、バージョンは幾度と繰り返し行ってきましたが、モデリング手法などの基本的な利用法そのものが大きく変わることなく、マイナーバージョンを上げるだけのアップデートに留まっていました。そして10年ぶりにメジャーバージョンを上げる最大の理由は、新しいモデリング方法の採用にある程度目処がついたことによります。
Ver3.0での変更点の最大の目玉は「彫刻」コマンドです。頂点や面などのポリゴンの概念を"あまり"意識することなく自由な形状を編み出すことができるようになります。
基本図形コマンドなどで板ポリゴンを作成してから、彫刻コマンドでドラッグしてください。自動的に面が分割されながら、なぞった箇所が盛り上がって行きます。とりあえず板ポリゴンに字を書いてみます。

レスポンスがやや遅いので、「プ」の○があまりうまく書けないですが気にしません。ここで辺の表示をONにしてみると、

もう何がなんやらわかりませんが、面が非常に細かく分割されていることがわかります。これで約5万ポリゴンです。
「膨らます」や「つまむ」を使うと、オブジェクトの一部がにょきにょきと盛り上がります。サボテン型クリーチャー(?)を作るのに30秒もかかりません。

と、新しい彫刻機能を簡単に紹介しましたが、このVer3.0は開発途中のバージョンをAlpha1として公開しましたので、今すぐにご試用いただけます。ただしベータですらないアルファなので、色々と問題が残っています。
今のところ
・ブラシで描いていくとすぐでこぼこする
(描いた後は「滑らかに」「平らに」が必須)
・最新のCPUでも10万ポリゴンを超えたあたりから描くのが段々重くなる
(自動分割を外すと多少マシになります)
・大きいポリゴンをいきなり割ると「シワ」が発生する
(最初に基本図形の分割数をある程度上げたほうがいいです)
・穴をあけたり、細くなった箇所を2つに分割はできない
(普通の編集機能でやってください)
などなど。開発期間がまだ3週間程度で、ようやく根幹となる面分割が出来ただけなので、高速化とか描き心地の向上とかはこれから手をつけるところです。
数十万ポリゴン以上を扱えるように、メモリ管理や表示周りについて内部的に大きく変更を加えました。不具合が混じっている可能性が高いので、何か気付いた点があればβ掲示板にご報告ください。
既にリリースされている他のスカルプト機能を持つソフトには比べるべくもないですし、片手間に開発するだけなので専業で開発している他の製品に追いつくことも難しそうですが、ちまちまと頂点をいじるのに疲れた人でも気軽に利用できるものを目指して行きます。あまり期待せずに、でもそれなりに期待してください。